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イオン会員誌「MOM(モム)」に平田院長の解説が掲載されました

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HEALTH 痔

痔は非常に身近な病気です。しかし場所が場所だけに、恥ずかしさから正確な知識を得にくい部分も。今回は、気になるけれどなかなか聞くことのできない「痔」の症状と治療法についてお伝えします。

女性にも多く、今や国民病ともいわれる「痔」。便秘になりやすい人は特にご注意を。

痔に悩んでいる女性は想像以上に多い。

日本人の3人に1人は、痔で悩んでいるといわれます。男性に多い病気と思われがちですが、実は女性患者の割合は男性と同程度か、それ以上。恥ずかしさなどから痔を公言できない「隠れ痔主」の女性が非常に多いのです。 広く使われている「痔」という言葉ですが、実は医学的には「痔」という病名はありません。「痔」は肛門の病気の総称で、単独の病名としては大きく「痔核」「裂肛」「痔ろう」の三つがあります。

痔核・裂肛・痔ろう、原因や症状とは?

では、それぞれの原因と病態を見ていきましょう。

●痔核(いぼ痔)
痔全体の6割程度を占めます。痔核とは、肛門の周囲を走る静脈がうっ血してできる瘤(こぶ)や、肛門を閉じるクッションの働きをする支持組織が腫れてできる盛り上がりのこと。肛門の内側にできるものを「内痔核」、外側にできるものを「外痔核」と呼びます。

主な原因は肛門への負担です。例えばトイレで長時間いきむ、長時間同じ姿勢でいることが挙げられます。妊娠や出産も同じく肛門へ負担をかけるので、痔核の原因になる場合があります。症状は痔核ができる場所や進行状況によって異なり、出血のみのケース、脱出や腫れが出るケースもあります。

●裂肛(切れ痔、裂け痔)
女性によく見られる病気で、その名の通り肛門の皮膚が裂けてしまった状態です。

裂肛の最大の原因は便秘で、硬い便を無理に出そうと腹圧をかけたときなどに起こります。また、慢性の下痢症の人は、肛門の皮膚が炎症を起こして裂けやすくなっているため注意が必要。症状は排便時に肛門がピリッと痛み、排便後もしつこく痛みが続くのが特徴です。

●痔ろう(あな痔)
肛門腺に膿(うみ)がたまり、肛門陰窩(いんか)との間に「ろう管」という膿の穴ができる病気です。「肛門周囲膿瘍(のうよう)」という病気から進行することが多く、激しい痛みや高熱を伴います。

痔ろうの大半は便の中の大腸菌などの細菌に感染して起こるといわれています。下痢症の人や排便時に強くいきむ人、先天的に肛門陰窩が深い人がかかりやすく、若い世代のがっちりした体格の男性に多くみられます。

痔は生活習慣病です。便通を良くするための毎日の習慣を大切にしましょう。

治療予防に有効な生活習慣とは?

痔、特に痔核と裂肛の予防と治療には、便秘や下痢など、排便の異常を改善することが大切です。痔の予防に効果的な生活習慣のポイントを紹介します。

●正しいトイレ習慣をつける
便意を感じたら我慢せずに早めにトイレに行き、長居をしないようにしましょう。また排便後にシャワートイレの温水洗浄機などで肛門を清潔にして炎症を防ぎます。痔を刺激しないよう、水圧は弱めに。

会社や外出先での排便が苦手という人は、朝食をきちんと取り、自宅で排便して出かける習慣を身につけましょう。

●香辛料・アルコールを控える
香辛料には充血を促す成分が含まれています。中でも、トウガラシは成分が便に残りやすく、肛門を刺激してしまいます。またアルコールも炎症を引き起こし、痔を誘発・悪化させることがあるので、摂取はなるべく控えましょう。

●おなかに良いものを食べる
便秘解消に有効な食物繊維を積極的に摂りましょう。食物繊維は果物やこんにゃく、海藻類、穀物、野菜、豆類、いも類などに含まれています。また便秘や下痢を防ぐため、整腸作用のあるビフィズス菌を腸内に増やしましょう。ヨーグルトはもちろん、ごぼうや玉ねぎもビフィズス菌の増加に役立ちます。

痔になってしまったら手術が必要って本当?

痔の治療には生活習慣の改善に加え、症状に応じて手術や投薬も行います。

●手術
以前は痔の治療というと、「すぐに手術をして悪いところを取る」というイメージがありました。しかし最近ではメスを使わない治療法が開発され、なるべく手術をしないで治す方法が中心になっています。

ただし、痔の中でも痔ろうの治療は、自宅療法や薬では難しく、肛門がんになる可能性もあるので手術する場合が多いようです。痔核や裂肛の場合も症状がひどかったり、改善がみられなかったりする場合は、手術をするケースもあります。

●薬
痔は薬だけでは完治までは至らず、症状を一時的に抑えるために使います。市販薬もありますが、効果が出にくかったり、誤った用途のものを使用してしまったりする可能性もあるため、なるべく病院で処方してもらいましょう。

恥ずかしさや手術への不安から、痔になっても病院へ行くのをためらう方は少なくありません。しかし、最近は診察方法などで患者の気持ちに配慮してくれる病院や、女性医師も増えています。恥ずかしがって悪化させてしまうより、早めに受診して治したほうがよいでしょう。

平田雅彦さんからひと言

肛門からの出血や血便があるので痔だと思っていたら、実は大腸がんだったというケースがあります。他にも痔と間違えやすい病気がいくつかあるので、適切な治療をするためにも早めに病院へ行くことが非常に大切です。

雑誌情報は以下サイトにてご覧ください。
→MOM(2016年2月号)