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Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜

おしりの医学#088「痔は早めに切ってしまうべき?」

今回もライブ配信でいただいた質問についてお話しします。「生活習慣改善で痔を治していくよりも、すぐに手術した方が改善は早いのではないでしょうか?生活習慣を改善していく間、ずっと痛みに耐える必要があるのですか」という質問をいただきました。実は手術を行ったとしても生活習慣の改善は必要になります。今回は生活習慣改善の必要性と保存療法中の痛みについて解説します。

手術をしたとしても生活習慣の改善は必要

生活習慣が原因で痔になった場合、生活習慣を改善しなければ痔が再発してしまう可能性があります。手術で治療した後に痔が再発してしまうと、術後の肛門の状態によっては再度手術を行うことは難しいです。また、身体への負担も多くなるので、手術をしたとしても再発防止のために生活習慣の改善は必要となります。
また、手術によって肛門を切ってしまうと、肛門の機能が低下してしまう恐れがあります。どちらにしろ生活習慣の改善が必要なのであれば、保存療法で痔を治療した方が肛門機能の低下で日常生活に困ることがなくなるため、当院では保存療法での治療をおすすめしています。

保存療法中に常に痔の痛みがあるわけではない

質問者様は「生活習慣を改善していく間、ずっと痛みに耐えないといけないのか」とおっしゃていますが、実際には保存療法を行っている間に耐える時間は多くありません。というのも、保存療法の期間中は痛み止めを使用することになるため、痛みがあれば止めることができます。
術後の身体への負担と再発のリスクの双方を考えると、保存療法を検討する余地は充分あります。医師の意見も聞きつつ、なるべく負担のかからない治療方法を模索するのが、当院の方針です。

平田雅彦プロフィール(平田肛門科医院 院長)
1953年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、一般外科を研修。
社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
現在、平田肛門科医院の3代目院長。

平田悠悟プロフィール(平田肛門科医院 副院長)

1982年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。東京大学大腸肛門外科入局後、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センターに出向し、
大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
2020年 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻医学博士課程修了。
現在は平田肛門科医院の副院長。