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おしりの医学#105「食生活改善のための参考メニューやポイントは?」

今回もライブ配信第3回にいただいた質問についてお話しします。「食生活を改善する参考に、当院の入院時の食事メニューを教えてください」という質問をいただきました。そこで今回は、当院の入院食や日常にとりいれやすい食材について解説します。

当院の食事メニュー

当院には入院施設があり、病院食も料理人の方が作ったものを提供しています。提供しているメニューとしては、腸や肛門に負担がかかる刺激物が少ない和食が中心で、寒天ゼリーや食物繊維が多い食材を少しずつ使用した、バランスの良いメニューとなっており、患者の皆様からも好評を頂いています。
様々な病気に対処している病院では、その分食材の種類に気を遣う必要がありますが、肛門科ではそこまで食材に制限があるわけではありません。なので、可能な限り患者のみなさんに満足してもらえるよう、旬の食材をなるべく使用するなど、飽きの来ない食事の提供を心がけています。また、アレルギーや宗教上の理由で食べられないものがある場合にも対応しています。

日常で簡単にとりいれられる食材

病院食に利用している食材の中には、日常でも取り入れやすい食材もあります。おすすめの食材は以下の通りです。

  • もち麦
  • なめこ
  • 全粒粉パン
  • アボカド

まず、もち麦は麦の中では特に水溶性食物繊維が多く、便のかさ増しや腸の蠕動運動の活発化といった効果があります。白米に6分の1程度混ぜるだけで摂ることができるので、日常的にも摂りやすい食材であるといえるでしょう。加えてミネラルも豊富なので、単に白米を摂取するよりも効率的に栄養を摂取することが可能です。
続いてはなめこです。なめこは味噌汁などで簡単に摂ることができ、キノコ類では水溶性食物繊維が多いので、こちらも手軽に正常な排便を実現できます。全粒粉パンも普段のパンから変更するだけで簡単に食物繊維を摂れるので、日常生活にとりいれやすくなっています。
最後にアボカドです。アボカドはバナナの5倍程度の食物繊維量を誇っており、そのまま食べることも可能なので、簡単に食物繊維を摂取できます。サラダに入れるなど、アレンジもしやすいので、積極的に摂取したい食材です。
他にも人参やごぼうなどの根菜類や、リンゴなどの果物も食物繊維が豊富です。栄養バランスを考慮しつつ、腸や肛門に良い食生活を心がけてみましょう。

平田悠悟プロフィール(平田肛門科医院 副院長)
1982年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。東京大学大腸肛門外科入局後、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センターに出向し、
大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
2020年 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻医学博士課程修了。
現在は平田肛門科医院の副院長。