おしりの医学

HOME | 痔の治療に関するコラム | おしりの医学 | おしりの医学#106「おしりに良い運動、悪い運動はありますか?」

Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜

おしりの医学#106「おしりに良い運動、悪い運動はありますか?」

今回もライブ配信第3回にいただいた質問についてお話しします。「運動は生活改善に効果があるはずですが、おしりに良い運動、悪い運動というのはあるのでしょうか?」という質問をいただきました。そこで今回は、おしりに負担のかかる運動や、痔の改善に効果的な運動についてお話しします。

おしりに悪いのは長時間おしりに力の入る運動

基本的におしりに悪い運動とは、長時間おしりに力を入れる必要があるものです。例えばゴルフの場合、スイングをする際にどうしてもおしりに力が入ります。グリーンを回っている場合は移動があるので問題はないのですが、打ちっぱなしの場合は長時間おしりに負担がかかることになるため、控えたほうが良いでしょう。
同じように、バッティングセンターもおしりへの負担が大きいです。バットのスイングもゴルフと同様、おしりに力が入るため、負担が大きくなっています。
他にはスクワットのような運動もおしりへの負担が大きいといわれています。スクワットはおしりに自重が乗ることになるため、肛門に圧力がかかります。結果として肛門付近の結構が悪くなり、内痔核ができる原因になる恐れがあります。

おしりに良い運動は腰に筋肉がつく運動

対して、おしりに良い運動は腰につく運動となります。腰や股関節周りの筋肉量が多いと、肛門に自重が乗りにくくなるので、おしりへの負担が少なくなります。おしりへの負担を減らしたいのであれば、プランクやヒップリフトなど、腰回りの筋肉が付くような筋肉を積極的に行うことをおすすめします。
ただし、太ももなどの腰より低い筋肉については、肛門への自重による負担を抑える効果がないため、増やしてもほとんど効果がありません。効率的におしりの負担を減らしたいのであれば、腰回りを重点的に鍛えていきましょう。

平田悠悟プロフィール(平田肛門科医院 副院長)
1982年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。東京大学大腸肛門外科入局後、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センターに出向し、
大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
2020年 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻医学博士課程修了。
現在は平田肛門科医院の副院長。