おしりの医学

HOME | 痔の治療に関するコラム | おしりの医学 | おしりの医学#023「痔の炎症を悪化させない生活習慣」

Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜

おしりの医学#023「痔の炎症を悪化させない生活習慣」

便で汚れる肛門粘膜が炎症を起こさない理由

“内痔核と血行について”というご質問ですが、そもそも肛門は毎日お通じが出るところですから、肛門の粘膜は便で汚れます。なぜ炎症を起こさずに済むかというと、肛門粘膜の厚さは目や口の中の粘膜とほぼ変わらないので、厚い粘膜が備わっているわけではありません。汚れている部分にリンパ球が集まって、炎症を抑えているだけなのです。つまり、血行が悪くなれば、リンパ球が集まることができなくなり、炎症を起こしやすくなるわけです。特に長時間座っていると、肛門周辺の血管が圧迫され、血流が減ってしまいます。そして、血流が減れば、炎症を起こしやすくなります。狭心症で血流が減った結果、炎症を起こすのと同じ理屈です。ですから、最低でも1時間に一度は席を立ち、10メートルでよいので歩くということがとても重要になります。

長時間座るとなぜ血行が悪くなる?

なぜ長時間座っていると血流が減ってしまうのかというと、人間の骨格の仕組みが太古から変わっておらず、四つん這いで歩いていた頃と同じままなのです。その結果、座るという姿勢によって血行が悪くなってしまうのは、仕方のないことといえます。イギリスの医学者たちは、「人間は二足歩行になって頭が大きくなり、手が使えるようになって文明が発達したため、その代償として腰痛と痔は仕方ない」と言っています。つまり、本来の使い方と違う使い方をしているわけなので、大事にしてあげないといけないということなのです。

お酒で血行が良くなるという思い込み

血行を良くするには、ストレッチや適度な運動はもちろん効果があります。「お酒を飲むと血行が良くなる」とおっしゃる方がいますが、それは間違いです。お酒というのは、自律神経を見出し、血流の分布を変えているだけです。実は、血液は体重の1/13しかありませんから、常に貧血の状態にあります。食事をしたら胃へ、勉強時には脳に、というように自律神経が血の行先を絞っているわけです。つまり、飲酒によって身体がポカポカしたということは、内臓は冷えてしまっていて、肛門に行くべき血流も減ってしまう場合もあるわけです。ですから、お酒が血行を良くするということはありません。

軽いストレッチで血行改善!

ではどうしたら結構が良くなるかといえば、私はやはりストレッチです。就寝前に足を開いて柔軟体操や、軽いスクワットもしています。血液循環を良くするためだけなので、ハードに行う必要はなく、膝頭か足先が隠れる程度で十分で、軽く10~20回やるだけでもとても良いですし、肩こりを軽減させるために首を回すだけでも効果があります。全身の循環障害を除去することが、結構改善にはとても効きます。

平田雅彦プロフィール(平田肛門科医院 院長)
1953年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、一般外科を研修。
社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
現在、平田肛門科医院の3代目院長。

次へ LinkIcon