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Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜

おしりの医学#024「ゴルフは痔の大敵?」

ゴルフもテニスも痔には悪い影響あり

「ゴルフは痔に悪いか」というご質問ですが、はっきり言いまして悪いです。なぜ悪いかといいますと、ショットの際に必ずお尻の穴を締めて打つことになるからです。お尻の穴を開いたままショットを打つことは不可能です。これは、ボクシングでもテニスのスマッシュでも同じです。つまり、一瞬でも力を入れるときは、お尻の穴を締めざるをえないのです。お尻の穴を締めないで済む唯一のスポーツは、水泳です。

ここを気を付ければゴルフもOK

ゴルフというのは、打つ際にお尻の穴を締めるものだと思ってください。では、痔の人はゴルフをやってはいけないのか?よく考えてください。ゴルフに行くというのはどういうことか。まず、前日も仕事で寝不足の場合が多くなります。朝も焦って起きて、便意がないのに強くいきんで排便をしようとします。その後、1時間も2時間もかけて自分で運転してゴルフ場へ向かいます。さらに、昼にはビールも飲みます。つまり、ゴルフのプレイそのものが良くないのではなく、前後や日中の行動そのものにも悪化の要因があるということです。ですので、ゴルフをしたいのであれば、これらの要因を排除すればよいのです。前夜は早く寝て、7時間はゆっくりと寝る。早く起きてトイレタイムをしっかり確保する。当院の患者さんのケースでは、ゴルフ場に2時間前に到着するように行動し、現地でゆっくりトイレを済ますようにしたら、まったく問題なかったそうです。そのうえで、友人の車に同乗させてもらう、昼のビールを辞めるなどすればよいでしょう。このように、ゴルフだけを楽しむようにすれば、大丈夫ではないかと思います。

実は「打ちっぱなし」が危険

実は、意外と練習場で痔が悪化する場合があります。「打ちっぱなし」で2時間以上何百球も打ってしまう方がいますが、よく考えてください。コースの場合、1ラウンドを90でまわる人であれば、半分はパットとアプローチなので、フルスイングは45回しか振っていません。それを打ちっぱなしで450回も振ってしまったら、10ラウンドも一気にまわったことになってしまいます。練習場で打つ量は、50~100球に留めておくことがベターかと思います。

平田雅彦プロフィール(平田肛門科医院 院長)
1953年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、一般外科を研修。
社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
現在、平田肛門科医院の3代目院長。