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おしりの医学#099「『芋の食物繊維を一番多く摂取できる調理法は?』~腸内細菌叢クイズ②~」

食物繊維が多く、様々な調理法で利用できるため、食卓にも並べやすい芋類は、腸内環境の改善に置ける強い味方です。しかし、食物繊維の摂取効率は調理方法で変化します。今回は芋類の食物繊維を効率的に摂取できる調理方法について解説します。

芋の食物繊維を一番多く摂取できる調理法は「茹で」か「蒸し」

結論から言うと、ジャガイモや里芋、長芋などの芋類から食物繊維を一番多く摂取できる調理方法は「茹で」か「蒸し」です。生と比較すると、「茹で」と「蒸し」では食物繊維の摂取量が20%ほど増加するとされています。
また、「焼き」も里芋以外では食物繊維の摂取量が15%ほど増加するため、有効な料理方法といえるでしょう。対して、以下の調理方法では食物繊維の摂取量が減少するとされています。

  • ジャガイモを揚げる
  • 里芋を焼く、または電子レンジで加熱する
  • 長いもを揚げる、または電子レンジで加熱する

例えば、ジャガイモの場合はフライドポテトよりも肉じゃがなどの方が食物繊維を効率的に摂取できます。また、里芋については煮っころがしや蒸し器で調理したきぬかつぎにすることで、食物繊維が摂取しやすいです。
とはいえ、増加するといっても最大で20%ほどであり、減少する調理法でも大幅に減少するわけではないため、調理方法を意識するよりは、食べる頻度を増やすことを意識したほうが良いでしょう。飽きずに芋類を食べるためにも調理方法にはバリエーションを持たせることをおすすめします。

芋類以外の食材も調理方法で食物繊維の量が変わる

調理方法で食物繊維の摂取量が変化するのは芋類だけではありません。他の野菜も調理方法によって食物繊維の摂取量が変化します。例えばほうれん草や大根の場合、焼くことで生と比較して食物繊維の摂取量が2倍になります。
対して、以下の食材では調理法で食物繊維の摂取量が変化しないため、好きな方法で調理しましょう。

  • 人参
  • ごぼう
  • キャベツ
  • 小松菜

また、海苔についても焼くことで食物繊維の摂取量が増加するとされています。海苔は全体の3分の1が食物繊維であり、油と合わせることでも食物繊維の摂取量が増えるので、日常的に摂取していきたい食材といえるでしょう。
以上のように、食材の食物繊維の摂取量は料理方法によって変化します。まずは日常的に食物繊維の多い食材を摂ることが重要になりますが、もし余裕があれば、食材ごとの調理方法にもこだわってみると良いでしょう。

平田悠悟プロフィール(平田肛門科医院 副院長)
1982年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。東京大学大腸肛門外科入局後、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センターに出向し、
大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
2020年 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻医学博士課程修了。
現在は平田肛門科医院の副院長。