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Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜

平田院長・新刊連動企画『マンガでわかる痔の治し方』LESSON5~痔を治す超簡単な運動~

2022年3月16日、当院院長である平田雅彦監修の書籍「マンガでわかる痔の治し方」が小学館集英社プロダクションより発売となりました。本書では手術や入院をせず、 「自分で痔を治す方法」がマンガでわかりやすくまとめられています。
今回は新刊連動企画と題し、本書の登場人物でもあり執筆者でもある漫画家・建築家のヒズメさんと、同じく登場人物である本書担当編集者のKさんをお招きし、本書の内容を基にした対談を5回に分けてお届けします。
第5回は痔の改善に繋がる簡単な運動について紹介していきます。ぜひ動画と合わせてご覧ください。

まずは循環障害をなくす

生活習慣の改善によって痔を治療する際には適度な運動が必要です。しかし、運動をする前のステップとして、循環障害をなくすことが重要になります。循環障害とは、血液とリンパ液が滞り、体内で栄養の運搬や老廃物の排出が上手く行われないことです。
循環障害は細胞の栄養不足や老廃物の蓄積を招くため、免疫力の低下に繋がります。結果、肛門でも炎症が起こりやすくなり、痔が悪化してしまうのです。特にデスクワークの人などは循環障害になりやすい傾向があります。
循環障害を解消する方法は簡単です。デスクワークをしているのであれば1時間ごとに10m歩くようにしましょう。トイレに行くだけでも循環障害はとれるので、ずっと座っている状態にならないことが重要です。

出勤は立派な運動

コロナの影響でリモートワークが増え、出勤しない人も増えましたが、実は出勤も立派ない運動です。多くの人は、通勤すると少なくとも3000歩、オフィスが遠い人は1万歩程度歩くことになります。
リモートワークになると出勤で補えていた運動がすべてなくなるので、結果的に痔の悪化に繋がってしまうのです。運動を習慣化するためには、出勤と同じように日常生活に組み込むことが重要です。
いつもの買い物コースで階段を使ってみたり、出かけるときは1駅歩いてみるなど、日常生活に無理なく運動を取り入れましょう。

運動が苦手なら冷え対策をしよう

痔を治療したいが運動はしたくないという人は、せめて身体が冷えないように対策しましょう。毎日湯船に浸かるようにするだけでも、痔の改善に繋がります。また、クーラーの効いた部屋で仕事する時は、下半身が冷えないように対策することが重要です。
おすすめなのは足先と腰にカイロを張ることです。それだけでも下半身の循環障害を軽減できます。

運動してみよう

家で運動をしたいときはスクワットをするのがおすすめです。スクワットというときつく感じるかもしれませんが、膝が少しだけつま先の前にくる程度の軽いもので問題ありません。筋肉を鍛えたいのではないので、とにかく身体を動かすことが重要になります(動画で実践しているのでぜひご覧ください)。ほとんど負荷がない軽いストレッチを50回するだけでも、痔の改善に繋がります。
重要なのはできることからやってみることです。歩く距離を少し増やしたり、身体が冷えないように気を付けたりするだけで、徐々に痔の改善に繋がっていきます。

現代は100肛門の時代

現代では人間は100歳まで生きることも珍しくなくなってきました。つまり、肛門も100年間使い続けることになるということです。肛門は替えが効かない器官です。100年使い続けるためには40~50代の頃から準備しなければいけません。
すでに痔になっている人もそうでない人も、生活習慣をやトイレの使い方を改め、肛門を大切に使うよう心がけましょう。

参考書籍『マンガでわかる 痔の治し方』

痔は「生活習慣病」です。生活改善すれば、自分で治せます! トイレのたびに出血する! 痛い! かゆみや便秘が慢性化している…。 そんなおしりトラブルを抱えていながら、 「医者に行くのが恥ずかしい」 「手術されるのはこわい」 と、見て見ぬふりをしていませんか。 そこで本書では、手術しない、入院しないで、 「自分で痔を治す方法」をマンガでわかりやすくまとめました。 痔の手術経験があり、いまも再発におびえる漫画家のヒヅメさんが、 約40万人の患者を診てきた日本を代表する肛門科専門医、平田雅彦先生に相談。 効果的な食事メニューから、便秘を治す朝習慣、トイレの正しい使い方や世界一ラクな運動まで! 自宅でできる治し方、忙しくても続けられるおしりケアについて、紹介します!
 

平田雅彦プロフィール(平田肛門科医院 院長)
1953年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、一般外科を研修。
社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
現在、平田肛門科医院の3代目院長。