Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜
平田院長・新刊連動企画『マンガでわかる痔の治し方』LESSON4~痔を治すトイレの使い方~
2022年3月16日、当院院長である平田雅彦監修の書籍「マンガでわかる痔の治し方」が小学館集英社プロダクションより発売となりました。本書では手術や入院をせず、 「自分で痔を治す方法」がマンガでわかりやすくまとめられています。
今回は新刊連動企画と題し、本書の登場人物でもあり執筆者でもある漫画家・建築家のヒズメさんと、同じく登場人物である本書担当編集者のKさんをお招きし、本書の内容を基にした対談を5回に分けてお届けします。
第4回はトイレの正しい使い方について紹介していきます。ぜひ動画と合わせてご覧ください。
便が出ないなら3分で切り上げる
便秘の時はついついトイレにこもりがちですが、無理やり排便する必要はありません。3分経っても便が出ないのであれば、身体が準備が出来ていないということなので、無理に出すのはかえって負担になってしまいます。
逆に言えば、便意がある時は我慢せず、すぐにトイレに向かうようにしましょう。肛門への負担を最小限にしたいのであれば、出したいタイミングで出すことが最も重要です。
いきむのは危険なのか
結論から言うと、便が出ないからといきむのは大変危険です。実は、人間は座るだけでお尻の血圧が150近くまで上昇します。便材に座っていきんでしまうと、血圧が200を超えてしまい、脳血管が切れてしまうなどの危険があるので注意が必要です。
くせでいきんでしまうという人は両手をあげてバンザイの姿勢をとることをおすすめします。バンザイの姿勢をとると、思うように力が入らないので、いきみを予防することが可能です。
長時間のトイレは危険
長時間便座に座り続けると痔の悪化を招きます。先に述べたように、人間は座った姿勢を続けているとお尻付近の血圧が上昇します。血圧が上昇すると鬱血したような状態になるので、痔の症状に悪影響を及ぼす可能性が高いです。
排便時にはスマホや本を持たず、排便が終わったらすぐにトイレから出る習慣を付けるようにしましょう。
理想の排便姿勢
排便時の理想の姿勢は前傾姿勢です。オーギュスト・ロダンの考える人をイメージすると分かりやすいでしょう。実は直腸は「くの字」型をしており、前傾姿勢を摂ることで真っ直ぐに近づきます。結果、便が詰まることなくスムーズに出てきてくれるのです。
前傾姿勢にならずとも、かかとを上げれば同じような効果が得られます。
シャワートイレの正しい使い方
シャワートイレは基本的に弱めに設定しましょう。肛門を水で洗うことに問題はありません。むしろ肛門が清潔に保たれるため、メリットの方が多いです。しかし、シャワートイレの水圧は肛門に悪影響を与えてしまいます。
よって、シャワートイレを使う際には水圧を弱くし、長時間当てすぎないことが重要です。また、シャワートイレを浣腸のように使う人がいますが、やりすぎると依存症になってしまい、シャワートイレがない環境で便が出なくなってしまう可能性があります。注意しましょう。
参考書籍『マンガでわかる 痔の治し方』
痔は「生活習慣病」です。生活改善すれば、自分で治せます! トイレのたびに出血する! 痛い! かゆみや便秘が慢性化している…。 そんなおしりトラブルを抱えていながら、 「医者に行くのが恥ずかしい」 「手術されるのはこわい」 と、見て見ぬふりをしていませんか。 そこで本書では、手術しない、入院しないで、 「自分で痔を治す方法」をマンガでわかりやすくまとめました。 痔の手術経験があり、いまも再発におびえる漫画家のヒヅメさんが、 約40万人の患者を診てきた日本を代表する肛門科専門医、平田雅彦先生に相談。 効果的な食事メニューから、便秘を治す朝習慣、トイレの正しい使い方や世界一ラクな運動まで! 自宅でできる治し方、忙しくても続けられるおしりケアについて、紹介します!
平田雅彦プロフィール(平田肛門科医院 院長)
1953年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、一般外科を研修。
社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
現在、平田肛門科医院の3代目院長。