Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜
平田院長・新刊連動企画『マンガでわかる痔の治し方』LESSON3(後編)~痔を治す食事方法(2)~
2022年3月16日、当院院長である平田雅彦監修の書籍「マンガでわかる痔の治し方」が小学館集英社プロダクションより発売となりました。本書では手術や入院をせず、 「自分で痔を治す方法」がマンガでわかりやすくまとめられています。 今回は新刊連動企画と題し、本書の登場人物でもあり執筆者でもある漫画家・建築家のヒズメさんと、同じく登場人物である本書担当編集者のKさんをお招きし、本書の内容を基にした対談を5回に分けてお届けします。
第3回後編では痔に良い食べ物について紹介しています。ぜひ動画と合わせてご覧ください。
腸内環境を整える食べ物
便秘や下痢など、便に異常があると肛門にも負担がかかります。よって、生活習慣の改善で痔を治療したいのであれば、腸内環境を整え、以上のない便が出るようにすることが重要です。
腸内環境を整えるために必要な栄養と食品は以下のようなものです。
- ビフィズス菌:ヨーグルトをはじめとした発酵食品
- 食物繊維:豆類やこんにゃく・海藻
- オリゴ糖:ゴボウやたまねぎ
そもそも、腸内には様々な菌が常在しており、菌ごとにフローラと呼ばれる集落のようなものを形成しています。菌は好みの栄養素があれば増加し、逆に好みの栄養素がなければ減少してしまいます。基本的に、便秘や下痢になっているときは腸内で悪玉菌と呼ばれる菌が増え、便の状態を良くする善玉菌が減っている状態です。
よって、まずは腸内に善玉菌であるビフィズス菌を直接届けることが重要になります。食物繊維やオリゴ糖は、ビフィズス菌をはじめとした善玉菌が好む栄養素です。ビフィズス菌を摂取してから食物繊維やオリゴ糖をしっかりと摂ることで、腸内で善玉菌が増え、便を健康な状態にしてくれます。
辛い物は痔を悪化させる
辛い物やお酒は腸内環境を悪化させるので要注意です。実は唐辛子の体内吸収率は3%しかないと言われています。つまり、97%は便として体外に出るということです。肛門が炎症を起こしていた場合、便に含まれたカプサイシンなどの辛み成分に刺激され、さらに悪化してしまう恐れがあります。
江戸時代の真似をしてみよう
辛い物を食べるという文化は元々海外から入ってきたものであり、唐辛子の利用目的も元々は食べ物を腐らせないためでした。日本では風土的に食べ物が腐りにくかったこともあり、和食で辛い物はあまり多くありません。和食には豆や海藻など、食物繊維が多い食材が使われることが多いです。
また、納豆や味噌などを積極的に使っていたほか、冬にはこんにゃくや干し芋を良く食べていました。飽食の時代になって久しいですが、生活習慣を改善したいのであれば、昔の人に倣って食事を変えてみましょう。
参考書籍『マンガでわかる 痔の治し方』
痔は「生活習慣病」です。生活改善すれば、自分で治せます! トイレのたびに出血する! 痛い! かゆみや便秘が慢性化している…。 そんなおしりトラブルを抱えていながら、 「医者に行くのが恥ずかしい」 「手術されるのはこわい」 と、見て見ぬふりをしていませんか。 そこで本書では、手術しない、入院しないで、 「自分で痔を治す方法」をマンガでわかりやすくまとめました。 痔の手術経験があり、いまも再発におびえる漫画家のヒヅメさんが、 約40万人の患者を診てきた日本を代表する肛門科専門医、平田雅彦先生に相談。 効果的な食事メニューから、便秘を治す朝習慣、トイレの正しい使い方や世界一ラクな運動まで! 自宅でできる治し方、忙しくても続けられるおしりケアについて、紹介します!
平田雅彦プロフィール(平田肛門科医院 院長)
1953年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、一般外科を研修。
社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
現在、平田肛門科医院の3代目院長。