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おしりの医学#030「痔の手術が必要と言われたら?」

手術が必要と言われたらまず診断書を

医師から“手術したほうがよい”と言われたときの対処法について、というご質問です。
私たちの病院でも、3カ月かけて生活指導を実施しても改善がみられない場合には手術を行います。 手術を絶対にしてはいけないとは考えていません。
ただ、手術の必要があると言われた際に、なぜ手術が必要なのか、その理由を診断書という形で医師に書いてもらうのはいかがでしょうか。これを嫌がる医師はいないはずです。

診断書はセカンドオピニオンにも有効

たとえば、「ステージ3の内痔核であり、これは世界的にみても手術が必要な病状である」とか、「痔ろうにより放置するとガン化の可能性があるため手術が必要である」のような診断書の内容になります。
これは、他の病院でセカンドオピニオンを求める際にも有効であり、別の医師の診断によっては手術は必要ないと言われる場合もありますし、まったく同じ診断をされる場合もあり、より正確な診断結果を得るためにも診断書を作成してもらうことはとても重要なことと思います。

後遺症の可能性もある手術には診断書が必須

手術というのは、自身の身体にメスを入れることですから、非常に慎重になるべきです。その手術によって後遺症が出ることもあり、内痔核の手術によって肛門が狭くなってしまったケースもありますし、痔ろうの手術では、括約筋の切断のせいで便が垂れ流しになってしまったという例もあります。ここまで後遺症がひどくなると、なかなか元には戻せませんので、最初の手術が非常に重要となりますので、後遺症が出る可能性があるのかも含めしっかり説明を受けて納得のうえ、文書に残してもらうことがとても重要です。

平田雅彦プロフィール(平田肛門科医院 院長)
1953年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、一般外科を研修。
社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
現在、平田肛門科医院の3代目院長。