Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜
おしりの医学#113「子供の痔。受診時の注意点は?」
今回もライブ配信第3回にいただいた質問についてお話しします。「2歳の子供を受診させたいのですが、子供ならでは受診の注意点などはありますか?」という質問をいただきました。そこで今回は、乳児に発症する痔や、子供が痔の診察を受ける際の注意点について解説します。
子供も痔になることがある
痔はある程度年齢を重ねてから発症する病気というイメージを持っている人も多いですが、実際には子供でも「乳児痔瘻」という病気が発症することがあります。
乳児痔瘻は乳児期に見られる痔の一種であり、通常の痔瘻と同様、肛門と直腸の境目と肛門周囲に瘻管と呼ばれるトンネルが形成される病気です。乳児は免疫力が未熟なこともあり、おむつの交換が遅れたり、肛門周囲が清潔に保たれていないと、発症する可能性があります。
また、乳児痔瘻の他にも、肛門付近にできたいぼを痔と勘違いして来院する人もいます。いぼの場合は基本的に病状などもないため、特に治療は必要ありません。ただし、「いぼだと思ったら痔の症状だった」ということもあり得るので、疑わしい症状があれば専門医の診察を受けることをおすすめします。
子供が肛門科を受診する際の注意点
基本的に、子供が肛門科を受診する際に注意が必要な点は特にありません。ただし、医師側も最新の注意を払いますが、診察の際は子供が恐怖を感じることも多いです。よって、基本的には親も一緒に診察室に同伴し、子供を安心させるように努めていただきたいです。
特に声を掛けたり、お気に入りのおもちゃを持っていくと、気が紛れてスムーズな診察がしやすくなります。円滑活かつ正確な診察を行うためにも、ぜひご協力いただけると幸いです。
平田悠悟プロフィール(平田肛門科医院 副院長)
1982年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。東京大学大腸肛門外科入局後、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センターに出向し、
大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
2020年 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻医学博士課程修了。
現在は平田肛門科医院の副院長。