Dr.Hipsが語る〜痔を知り、楽に治す方法〜
おしりの医学#128「痔持ちの人の冬の過ごし方」
冬の季節は痔を持つ人にとって特に注意が必要な時期です。寒さや運動不足など、冬特有の要因が痔の症状を悪化させることが多いため、冬を快適に過ごすための工夫が求められます。
冬の痔の悪化の原因
寒さによって筋肉が硬くなると、特にお尻の筋肉が緊張し、便が通りにくくなります。これが原因で切れ痔が悪化することがあります。 また、冬は意識的に水分を摂取しないと脱水気味になったり、寒さで体を動かす機会が少なくなるため運動不足になったりします。脱水や運動不足が原因でが便が硬くなり、排便時に痛みが生じたり、いきんでいぼ痔になったりすることがあります。
冬の痔対策
寒い日は、腹巻きやカイロを使用して腰やお尻を温めましょう。また、足元も冷えないように注意が必要です。冷えた体を温めるために、ゆっくり湯舟に浸かることをお勧めします。 また、食事は痔の予防に非常に重要です。ごぼう、にんじん、さつまいもなどの根菜類は体を温める作用があります。冬場にはこれらを食事に取り入れることが効果的です。
便秘を防ぐために食物繊維をしっかり摂取することも大切です。特に水溶性食物繊維が豊富なリンゴを食べることをお勧めします。リンゴはペクチンという水溶性食物繊維を多く含んでおり、便を柔らかくし、スムーズな排便を促進します。玄米は不溶性食物繊維が豊富ですが、これだけでは便が硬くなりやすいため、リンゴなどの水溶性食物繊維と組み合わせて摂取することが理想的です。
水分も意識的に摂るようにしましょう。
平田悠悟プロフィール(平田肛門科医院 副院長)
1982年 東京都生まれ。
筑波大学医学専門学群卒業。東京大学大腸肛門外科入局後、東京山手メディカルセンター大腸肛門病センターに出向し、
大腸肛門病の専門医としての豊富な臨床経験を積む。
2020年 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻医学博士課程修了。
現在は平田肛門科医院の副院長。