痔は切らずに治す

痔の原因

痔は大病の元

痔に限らず、病気はほうっておくと症状がひどくなり、ときには命を落とすこともあります。体調に異変を感じたら、迷わず医師の診察を受けてください。

直腸がんや結腸がんを痔とまちがえやすい

痔は命には関係ない病気、と甘く見ている人が少ないようです。しかし、痔だと思い込んでいたら、実は大腸がん(直腸がん・結腸がん)だったというケースは決して少なくありません。日本人の大腸がんの罹患率の増加にともなって、痔と思っていて検査をしてもらったらがんだった、という人が目立ってふえているのです。

これは、大腸がんの症状の一つである肛門からの出血や血便を、痔が原因のものと素人判断してしまうことによります。特に痔とのつきあいが長い人ほど、その危険性が高くなります。それまで何ともなかった人が、急に出血したり血便が出れば、驚いて病院へかけ込んで診察を受けますが、長い間、痔をくり返している人は、出血しても、「どうせ痔が原因だろう」とほうっておくことが多いためです。

がんになる痔もある

痔瘻は、治療せずにそのままにしておくと、肛門がんに進むことがあります。

肛門にできるがんには、直腸がんのように直腸の粘膜から発生するがんと、肛門の外側から発生する肛門管がんの2つがあり、痔瘻を長い間放置してできるがんは、肛門管がんです。

肛門管がんの主な症状は、肛門の周囲がしこってかたくなり、痛みや分泌物が出てくることです。

肛門の痛みが長くつづいたり、分泌物が出るようになったと思ったら、まず専門医に診察してもらい、あわせて大腸がんの検査を受けてください。

異常がない場合でも、40歳を過ぎたら大腸がんの検査を2年に1回、定期的に受けることをおすすめします。