痔を切らずに治したケース紹介
ケース④ 深酒・ストレス
内痔核・Dさん・男性・26歳・会社員
深酒の翌日に出血と脱肛が
5年ほど前より、深酒をした翌日、排便のときに出血と軽い脱肛がありましたが、手で押し込めばすぐに戻るので放置していました。
3ヵ月ほど前、Dさんが会社のある部門の責任者になったころから、排便時の出血と脱肛の頻度が多くなってきました。3日前に深酒をしたところ、下痢をしましたが、その直後より内痔核が脱肛して元に戻らなくなりました。激痛と出血があったため、近所の外科医院で診察を受けたところ、すぐに入院し、手術をするようにすすめられました。
しかし、入院の期間が2~3週間といわれ、仕事の関係で長期入院が無理なために、知人の紹介で当院を訪れました。
投薬と水泳で内痔核とうまく共存
診察の結果、内痔核が急性炎症を起こして大きくはれており、裂肛にもなりかけていますが、内痔核そのものはそれほど大きくない可能性がありました。そこで投薬で炎症を抑え、はれた内痔核を小さくすることで経過を観察し、それから手術するかどうかを相談することにしました。
2週間後、投薬の結果、はれは残っていましたが、疼痛や出血は軽減していました。Aさんの内痔核が悪化する原因は、毎日の過度の飲酒による睡眠不足と下痢、仕事上のストレスと思われました。
当院で受診してから1ヵ月後に、仕事上の必要最小限の飲酒を許可し、週1~2回、水泳をすることをすすめました。ただし、水泳のあとには必ず入浴して体を温めるように指示をしました。
飲酒量が減り、水泳を行うことで仕事上のストレスを解消することもできたので、受診から3ヵ月後には投薬のみで疼痛や出血がなくなって、内痔核の脱出感もときどき感じる程度までに改善できました。
現在、Dさんは内痔核とうまく共存し、仕事も順調に進んでいるようです。