痔核[じかく](いぼ痔)
手術が必要な痔の症状
次のような症状があるときは痔の手術が必要になります。
内痔核(いぼ痔)
排便のたびに脱肛し、指で押し込んでもなかなか戻らないほど進行した内痔核です。歩いているときに脱肛するなど、Ⅲ度からⅣ度に達する内痔核で、日常生活を送るのがつらい症状になり、患者さん自身が手術を望む場合は手術をします。
裂肛(切れ痔、裂け痔)
肛門が狭く、裂肛で、投薬と生活指導の治療を2~3ヵ月行っても症状の改善が見られない場合には、手術をします。
痔の手術のすべてが、日帰り手術でできるわけではない
痔瘻は、原発巣を取り去らないと治らないことと、肛門がんになることがあるので、すべての患者さんに手術を行います。
もちろん、このようなケースでも、診察したその日にすぐ手術などということはありません。
「病院に行くと、すぐに手術される」「手術は痛くて怖い」など、根拠のないうわさに惑わされず、早期に受診して、的確な治療を受けるようにしてください。
【COLUMN】日本大腸肛門病学会の専門医
痔の診察の際には、どんなお医者さんを選べばよいのでしょう?
「日本大腸肛門病学会」の肛門領域の専門医を受診すれば安心だと思います。2013年現在、日本大腸肛門病学会の専門医は1600人くらいいますが、内科系、外科系、肛門科系の3つに分かれていて、肛門科領域の専門医は205人くらいしかいません。そしてそのうち指導医はさらに少なく、その半分くらいしかいません。
このため、一般外科や消化器内科、産婦人科の医師が肛門も診察している現状があります。痔の診察を受けようと思われたら、事前にその病院に電話して、「日本大腸肛門病学会」の肛門領域の指導医がいるのか確認することをおすすめします。